出張日記

2005年


10月11日

羽田12時発アシアナ航空でソウルの金浦空港14時着。今回は延世大学でのシンポジウムに基調講演及びパネリストとして参加。都市計画家の山田雅夫さんも参加。空港に延世大学の人が迎えに来ていて大学まで送ってくれる。15時着。今回のシンポジウムの主催者Lee Sung Jun教授がホテルまで表敬訪問してくれる。しばし話し込んだ後、19時からの夕食会までホテルで休憩とのことなので友人のキム・ヨンスー氏を呼んでソウル市内で買い物。19時から大学近くの韓国料理店で歓迎会。大学側からは既知のミン教授が参加していた。彼女とは2000年の日韓ワークショップの時一緒に活動した仲。又2004年ロンドンのAAスクールで講演したときにも出会っている。彼女の祖祖父は反日の英雄で彼女は韓国の中でも名門の出と言われる。シンポジウムに参加者するのは古市、山田の他に中国側蘇州のLee Hwan-Kyun教授、アメリカKPFのKrempler氏。全員が夕食会に参加。


10月12日

朝9時から大学構内を案内してもらう。ソウル大学が日本の東大だとすれば延世、高麗は早慶のような位置付けらしい。延世の経営団体はサムスン(三星電気:SUMSUNG)というから早慶をSONYが経営しているようなものらしく、豊かな学校であると聞いた。特に電子、電気学科は当然ながら、医学部は韓国ではトップで特に病院は最高の評価を得ているとのことだ。都心部にも関わらず、古い教会とランドスケープが美しくキャンパス全体が緑の斜面、森の中にある。このキャンパスは冬のソナタのロケに何度も利用されて日本人の団体もよく来るそうだ。
会場には10時に入る。シンポジウムのテーマは「21世紀の都市のあり方。」KPFは現在インチョン(仁川)近くのソンド(松島)でニュータウンの建設に関わっているとのこと。そのマスタープランのプレゼンテーション。現在ソウルは完全に飽和状態でそれをドーナツ状に取り囲む京幾道(キョンギドー)の開発が行なわれている。
ソウルの周囲にサテライト(衛星)都市を充実させようという計画である。このソンド計画はそれらの中でも目玉で中国や台湾、シンガポールなどからの投資も行なわれている。
中国のLee Hwan-Kyun教授は蘇州の都市計画、山田氏は名古屋の東濃地区の開発、小生は21世紀の都市の可能性の話をする。シンポジウムが終わったのは夕方5時。全員で記念写真を撮った後近くの料亭へ。韓国式で長いテーブルを両側からはさみ、数多くの皿の料理をつまんでいく。例によって親睦の乾杯、又乾杯。韓国は親愛の印として返杯を行う(日本でも昔は行なわれていた)。とにかく料理の種類が多い。 夜8時頃にお開き。ミン教授がホテルまで送ってくれる。あらかじめキム・ヨンスー氏に電話をしてあったのでホテルに迎えに来てくれる。そこから清渓川(チョンゲチョン)へ行く。ここはもともとソウルの中心を流れていた川でやがて高度経済成長時代にその上部に首都高速の高架道路が架けられ、川は見捨てられていた。しかし数年前政権が変わると、あっという間に市内の首都高架道路は全てドラスティックに撤去された。そしてこの清渓川の再生計画が行われた。川の両側の擁壁が平行に走る。そのため上部の道路の車の姿やその騒音はこの川空間には入って来ない。川の両岸はプロムナードである。夜は様々にライトアップされ、川の水は様々にデザインされ人々を楽しませる。都会のオアシスである。キム氏の話によると川の処々を対象にしたデザインコンペが行われ、若手デザイナーや建築家も数多くこのプロジェクトに参加しているとのことである。素晴らしい再生プロジェクトで多くの市民でにぎわっている所を見るとこのプロジェクトは成功している。
その後景徳宮の横のレストランに行き、ワインと軽食。
ホテルに戻ったのは深夜。


10月13日

早朝延世大学の人がホテルに迎えに来てくれ金浦空港まで送ってくれる。 ソウル10時発。12時正午、羽田着。

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