出張日記

2006年

6月3日(土)


自宅を朝6時半に出る。瀋陽に向けて出発。
今日は土曜日なので成田からの便はなく関空経由。
そのため7時30分発羽田から関空へ。10時発関空から瀋陽へ。
瀋陽に午後1時30分着。そのまま張鉄事務所へ。
15時から18時30分まで打ち合わせが続く。
15時から16時半まではオフィス・タワー・プロジェクトの打合せ。オーナーのミス・ハンが出席して用意してきた1/100の模型2案を示す。持ってきた第2案が採用される。第一案はボリュームを1ヶのものとして意図的に鈍重な見せ方をしたもので外壁の色も白っぽいもの。第二案は建物の角をシャープに見せることを意図している。色彩もグレーを主にしているので建物全体をグリッド上に走る幅5cmの黄色のラインが映える。奏氏も現れ、「これで良い」ということになる。
次いで16時半から18時半までハウジング・プロジェクトの打合せ。実施設計を行う北京の事務所の人々も参加する。私たち日本側がどのように実施設計に関われるかという点についてもめる。中国側は基本設計が出来たらもう誰が実施設計をやっても同じと誤解している。実施設計で行うことの意味が全く分かっていないのだ。実例を挙げながら、標準的な詳細や収まりを私たちが作り、それを中国側が全体の実施設計図面を作る時に適用していくのだという事を説明するが理解させるのに大議論。何とかわかってもらえる。
6月8日までに日本側がどのような図面を作るのかリストを作る約束をする。18時30分から夕食会。場所はシェラトン・ホテルの道路の反対側の高級住宅地敷地の中にあるレストラン「Riverside Restaurant 」。ここは高級料理。最近の中華料理で感じることは日本料理が大きく影響していることだ。特に刺身、わさびやうどん(麺類はもともと中国のものだがここで言うのは日式うどん)。 海老や河で獲れた魚の刺身はやや恐い。それでも中国の人たちは気にせず食べている。かつて中国の人たちは生物を食べないことが鉄則であった。鍋料理なども、鍋に入れる生野菜をつまむはしと自ら料理を食べるはしは使い分けていたものだ。
わさびは色々な料理に用いられる。特に今日美味しかったのは野菜のカイランを氷の中で冷やし、そのまま生でわさびじよう油にひたして食べるもの。これは旨い。お勧めである。歯ざわり、冷たい舌ざわり、緑の香り、鮮やかな白い氷と緑のカイランの色の対比、どれをとっても美味しい。チャイニーズ・クイズィーヌ・ヌーヴォー。
バイチュー(白酒)も高級なものらしくあまりのどにぢりぢりとこないのが良い。オフィスのクライアント、ミス・ハンも参加して楽しい夕食会となる。10時頃にお開き。いったんホテルにチェックインしてからカラオケに行こうということになる。シェラトンに10時半にチェックイン。うかつにもそのまま眠り込んでしまう。後で聞いたら2回程電話が来たらしい。



6月4日(日)

7時起床。いつものようにお粥とフルーツの朝食。8時に迎えが来る。8時半オフィスに。構造設計者と北京の実施設計グループが待っていた。さっそく構造の打ち合わせ。我々の提案では220角の柱を提案していたが、どうしても中国の法規は300角が必要と主張する。
300角は立面があまりにも鈍重になってしまうので、見付250見込360で考えてもらうことにする。構造は基本的に壁構造だが壁厚は250とのこと。18階だから止むを得ない。全体に保守的である。見たことのない構造はどのように解析してよいかわからないと主張する。そのため、ともすればありきたりのコンベンショナルな方法に走りがちである。
「挑戦」「挑戦」「challenge」「challenge」とくり返して構造設計者に言う。各部位を一通り打ち合わせする。次に実施設計で我々が行う作業の打ち合わせ。
今回の場合、高層棟などくり返しが多いので基本ディテールをまず押さえる。それらは40〜50ヶ所になると思われるが、それが決まればあとは中国側でそれらを適用し、ルーティン的に図面を書くことが出来る。図面は標準平面詳細図を1/30で、標準の矩計を1/30、必要な部分は1/20位で書く予定。11時に打ち合わせを終え、一路空港へ。チェックイン後、ラウンジで休憩。13時30分瀋陽発。機内で最近のディズニー映画「南極物語」を見る。これは日本の「南極物語」のリメーク版とのこと。17時半成田着。今月初めよりANAは第一ターミナルに移り今回はそこに着く。18時 に空港を出て、まっすぐ大学へ。瀋陽での打ち合わせを報告し、その後、逐次図面の検討をする。
その後、津田沼駅前のイタリアンレストランで夕食後、事務所に戻ったのは11時半。明日の予定を確認して深夜自宅へ戻る。



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