出張日記

2008年

9月8日

11時30分、スカンジナビア航空で成田を出発。今回の出張は、友人の陣内秀信さんの推薦もあり、シチリア島、及び南イタリアの都市を周る。

マイレージのチケットは、結構不便で思いもよらないコースを取らされることがある。ローマまで随分時間がかかった。ローマ空港着。午後10時、そこから近くのローマヒルトン空港ホテルへ。チェックインしたのは、午後11時。



9月9日

ヒルトンホテルのバスでローマ市内へ向かう。

ローマの休日のグレゴリー・ペックが手を差し込んでオードリー・ヘップバーンを驚かせるという真実の口があるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の近くで降ろされる。そこからフォロロマーノ、そしてさらにカンピドリオの丘へ向かう。ここには、随分人が居たがちょうど結婚式もやっていて、いい写真が撮れた。カンビドリオの階段を下りて、まっすぐヴィラ・デ・コルソへ向かう。

ヴィラ・デ・コルソからパンテオンへ。パンテオンの周りを一周し撮影する。内部へ入ったことは数え切れないが、今回の光は本当に美しい。頂部の丸い開口から入った光がドームの側面にちょうど、チンダル現象のように光の筒が当たる光景は、劇的である。

思えば、我が師匠丹下先生はここに墓地を提供されたのだった。これは、大変なことである。なんといっても、ラファエロやヴィットリオ・エマヌエル2世といった歴史的な人物がここに眠っている。

そこからローマに来ると必ず立ち寄る近くの洋服店へ入る。そこでズボンを3本購入。前回ここで買ったものは、随分と好評だったのだ。ズボンを購入した後、これもいつものコースだがパンテオン広場にあるロゼッタレストランへ。ここで昼食をとる。

ここは、かつてボローニャの仕事をやっていた時によく夕食に来たところだ。

当時から随分値段の高いところだが、施主がここならいつでもサインして食べてもいいと言われ、随分通ったものだった。贅沢なことをしていたものだ。

昼食後、パンテオン広場前の有名なカフェに行き、カフェグラニータを楽しむ。

気温は35度以上あるだろう。冷たいグラニータが本当においしい。ここのグラニータは、ローマでも最高といわれるのだ。近くに、中国人の観光客がいるのだが、彼らはそのことを知らないのだろう、普通のコーヒーを飲んでいた。もったいない。

そこから歩いて、一緒に行った友人が行ったことがないとのことでトレビの泉を通る。それにしてもなんと多い人だろう。これでは、まったく雰囲気がない。1978年にボローニャプロジェクトの実施設計のためにローマに滞在したときは、こんなに観光客は居なかった。やはり、世界の人々が裕福になり海外旅行する余裕ができたためこんなに人が増えたのだろう。

最近、ヨーロッパに来て目立つことは、日本でもおなじみのルイ・ヴィトンのバックを持つ女性が非常に増えたことだ。70年代、私たちがヨーロッパに来たとき、ルイ・ヴィトンを持っているヨーロッパ人は見かけなかった。私は、ヨーロッパの人々はブランドを好まず、自分の趣味で選んでいると思っていたが、実はお金がなかったのだ。考えてみれば当時、ヨーロッパは貧しかった。街も汚くレストランも今のようなモダンなインテリアが作られていなかった。そういうことでは、ヨーロッパも豊かになったのだ。

そこから、さらに歩いてスペイン階段へ。スペイン階段は、大学の講義、講演などでよく使うのだが気に入った写真がない。そのため、今日は天気が良いので数多くの写真を撮る。

その間、家族と友人は、ショッピング。このヴィラ・デ・コンドッティは、相変わらず観光客であふれている。ローマ随一のブランド街で最近は、中国人が訪れるそうだ。しかし、中国人はかなり数多くを購入する。よくよく聞くと本国に帰ってそれらを売りさばくそうだ。そのため、税関で困るのは中国人が前に並んでいるとよくトラブルが起こって、なかなか列が進まない。それはイタリア、フランス政府は知っていて中国人があまりにもブランドを買うので厳しくチェックしているためだと言われる。

夕食をとり、その後、タクシーで空港へ戻る。




出張日記リストへ   9月10日の日記へ

inserted by FC2 system